【熱燗の作り方】家で簡単!レンジと湯煎、美味しいコツは?

冷えた体にじわっと染みわたる、温かい日本酒。

想像するだけで、心も体もぽかぽかしてきませんか?

「熱燗」は、日本の冬の楽しみの一つですが、「家で作るのは難しそう」「温度管理が面倒で…」と、自宅で試すのをためらっている方も多いかもしれません。

でも、実はいくつかの簡単なポイントを押さえるだけで、お店で飲むような本格的で美味しい熱燗を、家でも手軽に楽しむことができるんです。

この記事では、熱燗の基本から、失敗しない作り方、熱燗にぴったりなお酒の選び方まで、あなたの「おうち熱燗デビュー」を徹底的にサポートします。

今夜はこの記事を片手に、日本酒の奥深い世界へ足を踏み入れてみませんか?

そもそも熱燗とは?知っておきたい日本酒の温度の世界

美味しい熱燗の作り方を知る前に、まずは日本酒を温める「お燗(おかん)」の基本について触れておきましょう。

「熱燗」も、このお燗の一種なのです。

熱燗だけじゃない!奥深い「燗酒」の温度別名称

日本酒は、温める温度によって驚くほど香りや味わいが変化する、とても繊細なお酒です。

「お燗」と一口に言っても、その温度帯ごとに風情ある呼び名が付けられています。

ここでは、代表的な温度帯ごとの名称と、その味わいの特徴についてご紹介します。

以下の表は、お燗の温度帯ごとの目安と特徴をまとめたものです。どの温度が好みか、試しながら探るのも日本酒の醍醐味です。

温度帯(目安)

呼び名

特徴

30℃~35℃

日向燗(ひなたかん)

ほんのり温かい程度。香りが優しく立ち、米や麹のふくよかな香りが感じられる。

35℃~40℃

人肌燗(ひとはだかん)

体温くらいのぬるさ。旨味と甘みが最も引き立ち、香りが柔らかく膨らむ。

40℃~45℃

ぬる燗(ぬるかん)

「ぬるい」と感じる温度。香りがはっきりと感じられ、味わいに丸みが出る。

45℃~50℃

上燗(じょうかん)

湯気が少し見える程度。香りがシャープになり、味わいが引き締まる。

50℃~55℃

熱燗(あつかん)

湯気がはっきり立ち上る。香りが力強くなり、キリッと辛口な味わいに。

55℃以上

飛びきり燗(とびきりかん)

徳利が熱く感じる温度。シャープで刺激的な味わい。通好みの温度帯。

30℃~35℃:日向燗(ひなたかん)

まるで陽だまりのような、優しい温かさです。

触れるとほんのり温もりを感じる程度で、冷酒や常温に近い感覚で楽しめます。

お酒の香りが穏やかに立ち始め、米や麹のふくよかな香りが優しく広がります。

味わいの変化もまだ穏やかなので、お燗の入門編としても適しています。

35℃~40℃:人肌燗(ひとはだかん)

その名の通り、人の肌と同じくらいの、ぬるく心地よい温度です。

この温度帯は、お酒が持つ米の旨味や甘みが最も引き立つとされています。

香りは柔らかく膨らみ、口当たりも非常に滑らかになります。

リラックスしたい時や、料理とじっくり合わせたい時におすすめです。

40℃~45℃:ぬる燗(ぬるかん)

一般的に「ぬるい」と感じる温度ですが、お燗の世界では人気の高い温度帯の一つです。

「人肌燗」よりも香りがはっきりと感じられるようになり、お酒の味わいにも丸みが出て、全体のバランスが良くなります。

多くのお酒が持つポテンシャルを引き出しやすい温度とも言えます。

45℃~50℃:上燗(じょうかん)

器に注いだときに、うっすらと湯気が見える程度です。

このあたりから、香りはシャープさを増し、味わいもきゅっと引き締まってきます。

甘みが抑えられ、キレの良い後味を楽しみたいときに向いています。

食事の味わいを引き立てる食中酒としても優秀です。

50℃~55℃:熱燗(あつかん)

私たちが最もよく耳にする「熱燗」が、この温度帯です。

徳利(とっくり)から湯気がはっきりと立ち上り、見た目にも温かさを感じます。

香りは一層力強くなり、味わいはキリッと辛口に変化するのが特徴です。

寒い日に体を芯からしっかりと温めたいときに、まさにぴったりの温度です。

55℃以上:飛びきり燗(とびきりかん)

徳利を持つと「熱い!」と感じるほどの温度です。

ここまで温度を上げると、香りはシャープさを極め、アルコールの刺激も伴う非常に辛口な味わいになります。

通好みとも言えますが、お酒の種類によっては繊細な風味が飛んでしまう可能性もあるため、注意が必要です。

温度の測り方

料理用の温度計でももちろん大丈夫ですが、お燗作りをマスターするなら「酒かん計」があると非常に便利です。

「人肌燗」「ぬる燗」などの繊細な温度管理も、これ一本で誰でも簡単にプロの味を再現できます。


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熱燗にすると日本酒はどう変わる?温めることのメリット

温めすぎると繊細な風味が飛んでしまう可能性もあるにも関わらず、なぜわざわざ日本酒を温めるのでしょうか。

それには、日本酒の魅力を引き出す、いくつかの明確な理由があります。

1. 香りが豊かに開く

日本酒には、米や麹に由来する多様な香り成分が含まれています。

冷えている状態ではこれらの香りは控えめですが、温度を上げることで揮発しやすくなり、華やかで芳醇な香りが立ち上るようになります。

特に、米の旨味を感じさせるふくよかな香りは、温めることで最も引き立ちます。

2. 味わいがまろやかに

日本酒の旨味の正体であるアミノ酸や、甘み成分である糖は、温度が上がることでより強く感じられるようになります。

また、温めることでお酒の分子の動きが活発になり、舌触りが柔らかく、まろやかに感じられます。

逆に、冷酒では際立っていた酸味や苦味が適度に抑えられ、全体のバランスが整う効果もあります。

3. 料理との相性(ペアリング)が広がる

温かい燗酒は、同じく温かい料理との相性が抜群です。

例えば、冬の定番であるおでんや鍋物、煮物など、出汁の効いた料理と合わせると、お酒が料理の旨味を引き立て、料理がお酒の味わいを深くするなど、互いを高め合う素晴らしい相性を見せてくれます。

冷酒では合わせにくい脂の乗った料理とも、お燗が口の中の脂をさっぱりと流してくれるため、相性が良い場合が多いです。

このように、お酒を温める「お燗」は、日本酒が持つ隠れたポテンシャルを引き出し、楽しみ方の幅を格段に広げてくれる飲み方なのです。

【実践編】自宅で簡単!美味しい熱燗の作り方

お燗の魅力がわかったところで、いよいよ実践です。

自宅で美味しい熱燗を作る方法は、大きく分けて「湯煎」と「電子レンジ」の2つがあります。

どちらも一長一短ありますが、コツさえ掴めば簡単です。

また、3つめには湯煎と電子レンジの”良いとこ取り”ができる方法もご紹介します。

王道にして本格的!「湯煎」で作る方法

まずご紹介するのは、最もおすすめしたい「湯煎」での作り方です。

時間は少しかかりますが、お酒にゆっくりと均一に熱が伝わるため、アルコールの角が取れた、まろやかで美味しい熱燗に仕上がります。

準備するもの

  • 日本酒(燗にしたいもの)

  • 徳利(とっくり)、または ちろり(酒たんぽ)

  • 鍋(徳利が浸かる深さのもの)

  • (あれば)料理用温度計、または 酒かん計

徳利とお猪口は、セットのものがあると毎日の晩酌がワンランクアップします。


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「ちろり(酒たんぽ)」とは、このようなもの。


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熱伝導率の高いちろり(酒たんぽ)は、お店のような雰囲気が出るだけでなく、お酒の味わいをまろやかにしてくれます。

自宅での熱燗をより本格的に楽しみたいなら、ちろり(酒たんぽ)を手に入れるのもおすすめです。

手順とコツ

1. お酒を徳利に入れる

徳利にお酒を注ぎます。

このとき、お酒は温まると体積が膨張して増えるため、徳利の8分目から9分目くらいまでにするのがポイントです。

目安としては、徳利の首のくびれている部分の少し下あたりまで。

なみなみと注ぐと、温めた際に溢れてしまうので注意しましょう。

2. 鍋に水を用意する

徳利を入れない状態で、鍋に水を張ります。

適切な水の量は、徳利を鍋に入れたときに、中のお酒が入っている部分全体がお湯に浸かるくらいが理想です。

目安としては、徳利の半分から7分目くらいまでが浸かる量です。

水が少なすぎると温まりにくく、多すぎると徳利が浮いて倒れる可能性があるので調整してください。

3. お湯を沸かし、火を止める

鍋の水を火にかけます。

沸騰したら(または沸騰直前の約80℃~90℃になったら)、必ず火を止めてください。

お湯を沸かし続けながら徳利を入れる「煮燗(にかん)」は、温度が上がりすぎて風味を損なう原因になります。

また、急激な温度変化で徳利が割れる危険も避けるためです。

4. 徳利をお湯に入れる

火を止めた鍋に、徳利を静かに入れます。

このとき、徳利の口にアルミホイルやラップで軽く蓋をすると、日本酒の華やかな香りが逃げるのを防ぎ、より美味しく仕上がります。

5. 好みの温度まで待つ

ここからが美味しいお燗を作るための大切な「待ち」の時間です。

お酒の量や元の温度、お湯の温度によって温まる時間は変わります。

あくまで目安ですが、1合(180ml)のお酒を常温から温める場合、熱燗(50℃)で約3分~4分、ぬる燗(40℃)で約2分半~3分ほど待ってみてください。

6. 温度を確認する

酒かん計や料理用温度計があれば、時々お酒の温度を直接測るのが最も確実です。

もし温度計がない場合は、徳利の底を指で触って確認します。

徳利の首の部分は温度が上がりにくいので、必ず底で判断してください。

底を触って「少し熱いな」と感じるくらいが、熱燗(約50℃~55℃)の目安です。

7. 完成

好みの温度になったら、徳利を鍋から取り出します。

非常に熱くなっているので、布巾(ふきん)などを使って火傷に十分注意してください。

徳利についた水気をさっと拭き取れば、美味しい熱燗の完成です。

手軽さNo.1!「電子レンジ」で作る方法

「もっと手軽に、今すぐ飲みたい!」という方には、電子レンジを使った方法が便利です。

湯煎に比べて加熱ムラが起きやすいというデメリットがありますが、いくつかの工夫でその弱点をカバーできます。

準備するもの

  • 日本酒

  • 徳利(電子レンジ対応のもの。)

  • ラップ

徳利は、電子レンジ対応のものを選びましょう。シンプルな陶器製のものだと安心です。


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手順とコツ

 1. 徳利にお酒を入れ、ラップをかける

湯煎の時と同様に、徳利の8分目~9分目までお酒を注ぎます。

香りが飛んでしまわないように、徳利の口にふんわりとラップをかけます。

このとき、蒸気の逃げ道がなくなるほどピッタリと密閉しないでください。破裂の危険があります。

2. 電子レンジで加熱する

電子レンジに入れ、加熱を開始します。

加熱時間の目安は、1合(180ml)を常温から温める場合、熱燗(50℃)で500Wなら約50秒~60秒、ぬる燗(40℃)なら約40秒程度です。

お使いの電子レンジの機種や、お酒の元の温度によっても時間は変わります。

まずは短めの時間から試して、様子を見るのが失敗しないコツです。

3. 【重要】一度取り出し、温度を均一にする

加熱が終わったら、一度電子レンジから取り出します。

電子レンジでの加熱は、お酒の上部だけが熱くなり、下部はぬるいままという「加熱ムラ」が非常に出やすいです。

そこで、温度を均一にするためのひと手間を加えます。

清潔なマドラーなどで軽くかき混ぜるか、徳利の口をしっかりと押さえて(熱いので火傷に注意)軽く振り、中のお酒を対流させます。

このひと手間で、味わいが格段にまろやかになります。

4. 温度を調整して完成

かき混ぜた後、まだぬるいと感じたら、様子を見ながら10秒ずつ追加で加熱してください。

「少しぬるいかな?」という程度で止めて、かき混ぜて温度を確認するのが、温めすぎを防ぐポイントです。

もっと手軽に美味しい熱燗が飲みたい!

「湯煎は少し手間がかかるし、電子レンジは加熱ムラが心配…」 「でも、ボタンひとつで好みの温度になったら最高なのに…」

そんな方には、「電気式の酒燗器(しゅかんき)」という専用の道具がおすすめです。


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日本酒をセットしてスイッチを入れるだけで、自動で「ぬる燗(約40℃)」や「熱燗(約50℃)」など、好みの温度に正確に温めてくれる優れものです。

湯煎式でじっくり温めるため風味を損ないにくく、温度管理はすべて機械にお任せ。

まさに「手軽さ」と「本格的な美味しさ」を両立したい方にはぴったりのアイテムです。

【Q&A】熱燗作りでよくある疑問

熱燗を作る際に出てきがちな、細かな疑問についてお答えします。

Q1. 温めすぎたお酒は冷ませば大丈夫?

A1. いいえ、おすすめできません。

一度60℃以上に温めすぎてしまったお酒は、冷ましたとしても元の繊細な風味やバランスは戻ってこないことが多いです。

お酒のアルコール感が強く立ってしまい、ツンとした味わいになりがちです。

熱燗は「温めすぎないこと」が何より重要です。

もしぬるいと感じたら、追加で温める「追い燗」をするようにしましょう。

Q2. 残った熱燗はもう一度温め直せる?

A2. 可能ですが、風味は確実に落ちてしまいます。

一度温めたお酒は、冷める過程で香りが飛んでしまいます。

それを再度温め直すと、さらに香りが失われ、味わいも平坦になりがちです。

熱燗は、飲む分だけをその都度温めるのが、最後まで美味しく楽しむ最大の秘訣です。

Q3. 徳利がない場合はどうすればいい?

A3. 耐熱性の容器で代用可能です。

湯煎の場合は、耐熱性のコップやマグカップ、蕎麦猪口などでも代用できます。

ただし、お猪口(おちょこ)に注ぐ際にこぼれやすい点には注意してください。

電子レンジの場合は、必ず「電子レンジ対応」の陶器製マグカップなどを使用してください。

熱燗を10倍楽しむ!お酒の選び方とアレンジ術

せっかく熱燗を作るなら、お酒選びや飲み方にもこだわって、その魅力をさらに深めてみませんか?

ちょっとした知識と工夫で、熱燗の世界はぐっと広がります。

熱燗に「合う」日本酒、「合わない」日本酒とは?

日本酒には様々な「特定名称酒」の区分や製造方法があり、それぞれお燗にしたときの表情が異なります。

熱燗にすることで美味しさが花開く「燗上がり(かんあがり)する」お酒を選びましょう。

熱燗におすすめの日本酒タイプ

一般的に、熱燗に向いているのは、お米の「旨味」と「コク」がしっかりとしたタイプのお酒です。

温めることで、そのふくよかな味わいが一層引き立ちます。

純米酒

米、米麹、水のみで作られた純米酒は、お米の旨味やふくよかな香りが持ち味です。

温めることで、そのポテンシャルが最大限に発揮され、まろやかで奥深い味わいになります。

特に、どっしりとした味わいの純米酒は熱燗にぴったりです。

本醸造酒

純米酒の原料に加えて醸造アルコールが少量添加されているタイプです。

すっきりとした味わいの中にもしっかりとした旨味があり、温めるとキレが増します。

味わいがクリアなので、料理の邪魔をせず、食中酒として非常に優秀です。

生酛(きもと)系・山廃(やまはい)系

これらは、伝統的で手間のかかる製法(酒母の作り方)で作られたお酒です。

自然の乳酸菌の力を利用するため、複雑な旨味としっかりとした酸味を持つ、骨太な味わいに仕上がります。

冷酒では個性が強すぎると感じるお酒でも、お燗にすることで一気に香りが開き、バランスの取れた奥深い味わいに変化することが多いです。

「どの日本酒を温めたらいいか分からない」という方は、まずは「燗上がりする(温めて美味しくなる)」定番の一本から試してみましょう。

「菊正宗」の本醸造酒は、「辛口(きりくち)は、熱燗でうまくなる。」のキャッチコピーで知られる、燗酒の定番です。


菊正宗 特撰 [ 日本酒 兵庫県 1800ml ]

定番の次に熱燗の奥深さに触れるなら、「生酛(きもと)」造りのお酒をぜひ。

冷酒では隠れていた複雑な旨味と香りが、温めることで一気に花開きます。

「燗酒コンテスト」受賞歴のあるこちらの銘柄は、選んで間違いのない一本です。


大七 純米生もと 1.8L 1800ml 福島県 五百万石等 東北 地酒 本醸造 純米

熱燗にあまり向かない日本酒タイプ

一方で、以下のような繊細なタイプのお酒は、お燗にするとせっかくの持ち味が損なわれてしまう可能性があります。

吟醸酒・大吟醸酒

リンゴやバナナのような、フルーティーで華やかな香り(吟醸香)が特徴のお酒です。

しかし、この吟醸香は熱に非常に弱く、温めすぎると香りが飛んでしまいます。

また、味わいの繊細なバランスも崩れがちです。

もし温める場合は、ごくぬるめの「人肌燗(35℃程度)」までにして、その変化を楽しむ程度に留めるのが良いでしょう。

生酒・生貯蔵酒

火入れ(加熱処理)を一切していない、または一度しかしていない、フレッシュな味わいが魅力のお酒です。

温めるとそのフレッシュさが失われ、熟成が進みすぎたような「ひね香」と呼ばれる香りや雑味が出てしまうことがあります。

これらは基本的に冷酒で楽しむお酒と考えましょう。

ただし、これらはあくまで一般的な傾向です。

お酒の個性は一本一本異なりますし、「燗専用」として造られた大吟醸なども存在します。

色々なお酒を色々な温度で試して、自分好みの「燗上がり」する一本を見つけるのも、日本酒の大きな楽しみ方の一つです。

ちょっと変わった楽しみ方!熱燗アレンジレシピ

いつもの熱燗に少し飽きてきたら、簡単な一手間を加える「アレンジ熱燗」はいかがでしょうか。

新しい味わいとの出会いが、おうち時間をさらに豊かにしてくれます。

1. 風味豊か「ヒレ酒」

香ばしいヒレの香りがたまらない、冬の居酒屋の定番とも言えるアレンジです。

ヒレの香ばしさが日本酒の旨味と見事に溶け合い、非常に贅沢で奥深い味わいになります。

作り方
  1. フグやタイなどのヒレ(乾物として市販されています)を用意します。

  2. ヒレをオーブントースターや魚焼きグリル、またはコンロの直火で、少し焦げ目がつくまでこんがりと炙ります。(炙りすぎると苦味が出るので注意)

  3. 熱燗(50℃~55℃)を注いだ耐熱の湯呑みやカップに、炙ったヒレを入れます。

  4. すぐに蓋(なければ小皿やアルミホイルで代用)をして、1~2分ほど蒸らします。

  5. ヒレの旨味と香ばしい香りがお酒に移ったら完成です。飲む前にヒレを取り出すかどうかはお好みでどうぞ。

ヒレ酒に挑戦するなら、香ばしく炙った「とらふぐ」のヒレがおすすめです。

自宅で手軽に本格的なヒレ酒が楽しめる、便利な乾燥ヒレが市販されています。


ひれ酒用 国産 とらふぐ干しひれ 20g入り 山口県下関加工 高級 ふぐひれ フグヒレ ふぐひれ酒 料亭


とらふぐ干しヒレ30g(10枚前後)ひれ酒用とらふぐひれ ふぐひれ フグヒレ ヒレ酒 希少部位の尾ひれ使用

2. ピリッとアクセント「生姜酒」

体が芯から温まる、寒い日にぴったりの健康的なアレンジです。

生姜の爽やかな香りとピリッとした辛味が、日本酒の甘みをきゅっと引き立て、後味をすっきりとさせてくれます。

作り方
  1. 生姜をすりおろすか、お好みで薄くスライスします。

  2. お好みの温度(ぬる燗~熱燗)に温めた日本酒に、適量の生姜を加えるだけです。

  3. お好みで、はちみつを少し加えて甘みをプラスすると、より飲みやすくなります。

3. 優しい甘さ「卵酒」(和風カクテル)

古くから風邪のひきはじめなどに飲まれてきた、栄養価の高い伝統的なアレンジです。

カスタードクリームのような優しい口当たりと甘さで、お酒が苦手な方でも飲みやすい「和風カクテル」です。

作り方
  1. 耐熱のカップや小鍋に、卵1個を割り入れ、よく溶きほぐします。

  2. そこに日本酒1合(180ml)と、砂糖(大さじ1~2杯程度、お好みで調整)を加えます。

  3. 電子レンジで温める場合は、吹きこぼれないよう数十秒ずつ加熱し、都度かき混ぜます。

    小鍋で温める場合は、弱火にかけ、焦げ付かないように常にかき混ぜながら温めます。

  4. 全体がとろりとして、アルコールが少し飛んだら(沸騰させない程度に)完成です。

まとめ

自宅で美味しい熱燗を作ることは、決して難しいことではありません。

お酒の風味を最大限に引き出すなら「湯煎」でじっくりと。

手軽さを優先するなら「電子レンジ」で、加熱ムラを防ぐひと手間を加えて。

どちらの方法でも、一番大切なのは「温めすぎないこと」です。

そして、日本酒は「日向燗」から「飛びきり燗」まで、わずかな温度の違いで驚くほど表情を変えるお酒です。

その日の料理やあなたの気分に合わせて、ぬる燗にしてみたり、熱燗にしてみたりと、温度を変えてみるのも一興です。

純米酒や本醸造酒など、お燗にすることで魅力が増すお酒を選べば、その楽しみはさらに深まります。

時にはヒレ酒や生姜酒のようなアレンジを加えて、おうちならではの贅沢を味わうのも良いでしょう。

寒い季節はもちろん、少し肌寒い夜にも、温かいお燗は心と体を優しく包み込んでくれます。

この記事を参考に、ぜひ今夜から「おうち熱燗」デビューを果たし、日本酒の持つ奥深い世界の扉を開いてみてください。

きっと、あなたのお酒ライフが、今よりもっと豊かになるはずです。

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