アペロとは?フランス発の新習慣。おしゃれな楽しみ方を徹底解説

最近、SNSや雑誌でおしゃれなライフスタイルとして「アペロ」という言葉を目にする機会が増えていませんか? 「なんとなく聞いたことはあるけれど、一体何のことだろう?」と感じている方も多いかもしれません。

アペロとは、美食の国フランスで生まれた、ディナーの前に軽くお酒とおつまみを楽しみながら、家族や友人との会話を弾ませる素敵な習慣のこと。

それは単なる「食前酒」という一言では片付けられない、コミュニケーションを大切にするフランス人のエスプリが詰まった文化なのです。

この記事では、「アペロって何?」という基本的な疑問から、その魅力、おうちやお店での具体的な楽しみ方まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。

この記事を読み終える頃には、きっとあなたもアペロを始めたくなっているはず。 さあ、日常を少しだけ特別にする、新しいお酒の扉を開いてみましょう。

アペロとは?フランス発祥の食文化を徹底解説

ディナーが始まる前の、魔法のような時間。 それがフランスのライフスタイルに深く根付いている「アペロ」です。

まずは、アペロの基本的な意味から見ていきましょう。

アペロの語源とフランスでの位置づけ

「アペロ」という言葉は、フランス語の「アペリティフ(Apéritif)」の略語です。

このアペリティフは、ラテン語で「(扉などを)開ける」という意味を持つ”aperire”が語源とされています。 その名の通り、ディナーの前に胃の扉を開き、食欲を増進させるための「食前酒」を指す言葉として生まれました。

しかし、現代のフランスにおいてアペロは、単にお酒を飲む行為だけを意味するものではありません。

仕事終わりのリラックスした時間や、週末の夕暮れ時に、家族、恋人、友人たちと集い、お酒と軽いおつまみを片手に会話を楽しむ、その豊かな時間そのものを「アペロ」と呼びます。

フランス人にとってアペロは、一日の緊張をほぐし、親しい人々との絆を深めるための、日常に欠かせない大切なコミュニケーションの儀式なのです。

「アペリティフ」や日本の「0次会」との違いは?

アペロとアペリティフは、元々の語源は同じですが、使われ方に少し違いがあります。

「アペリティフ」が食前酒という「飲み物そのもの」を指すことが多いのに対し、「アペロ」はその飲み物を楽しむ「時間や空間、習慣全体」を指す、より広義な言葉として使われています。

「アペロしない?」と誘われたら、それは「ディナー前にお酒を飲みながらおしゃべりしない?」という合図です。

また、日本の「0次会」と似ていると感じる方もいるかもしれません。

確かに、メインの食事の前に軽く集まるという点では共通しています。

しかし、その目的と雰囲気に違いがあります。 0次会が、その後の飲み会や食事会に参加するメンバーで「ウォーミングアップ」として行われることが多いのに対し、アペロはディナーの約束がなくても、アペロ単体で完結することが珍しくありません。

あくまでメインは食事ではなく、会話を楽しむこと。 そのため、長居はせず、あくまでディナー前の時間を豊かに過ごすための、洗練された大人の習慣と言えるでしょう。

なぜアペロは夕方に行われるの?

アペロが夕方、一般的に18時から20時頃に行われるのには明確な理由があります。

これはフランスのディナータイムが、日本に比べて遅いことと関係しています。

フランスでは、夕食が20時以降に始まるのが一般的。 そのため、仕事が終わり、夕食までの間に生まれる少しの空き時間を、リラックスして楽しむための習慣としてアペロが定着しました。

夕暮れの美しい光が差し込む中で、一日の出来事を語り合いながらグラスを傾ける。 このゆったりとした時間の流れこそが、アペロの最大の魅力の一つなのです。

忙しい日常から少しだけ離れ、心豊かなひとときを過ごすための、まさにゴールデンタイムと言えるでしょう。

なぜ今アペロが日本で注目されている?3つの魅力

フランスの素敵な習慣であるアペロですが、近年、日本でもライフスタイル感度の高い人々を中心に大きな注目を集めています。

なぜこれほどまでに、アペロは現代の日本人の心を惹きつけるのでしょうか。 その魅力を3つのポイントから紐解いていきます。

①長時間にならない気軽なコミュニケーション

従来の日本の飲み会は、2〜3時間と長時間に及ぶことが多く、時間的にも体力的にも負担に感じることがありました。

その点、アペロはディナー前の1時間〜1時間半程度でサクッと楽しむのが基本スタイルです。 この「気軽さ」が、現代の価値観にマッチしているのです。

食事をメインとしないため、「何を食べようか」とお店選びに悩む必要も少なく、会話に集中できるのも大きなメリット。

仕事終わりに同僚と軽く一杯、友人との待ち合わせ前に少しだけ、といったように、様々なシチュエーションで柔軟に取り入れられます。

短時間だからこそ、より質の高い、濃密なコミュニケーションが生まれる新しい交流の形として、アペロは支持されています。

②“おうち時間”を豊かにする最高のスパイス

ライフスタイルの変化により、自宅で過ごす時間が増えた今、”おうち時間”をいかに豊かにするかが多くの人の関心事となっています。

アペロは、そんなおうち時間を格上げするのにぴったりの習慣です。 特別で高価な食材を用意する必要はありません。 近所のお店で買ってきたチーズや生ハム、オリーブなどを少しお皿に並べ、好きなお酒をグラスに注ぐだけ。

それだけで、いつものリビングが、まるでおしゃれなビストロのテラス席のような非日常的な空間に変わります。

週末の夕暮れに、パートナーとその日あったことを語り合ったり、一人で好きな音楽を聴きながら物思いにふけったり。

アペロは、日常と非日常の境界線を曖昧にし、心にゆとりと潤いを与えてくれる、最高のスパイスなのです。

③思わずシェアしたくなる!SNS映えするおしゃれな雰囲気

アペロの魅力として、その「見た目の華やかさ」も無視できません。

キラキラと泡が立ち上るスパークリングワインのグラス、彩り豊かに盛り付けられたおつまみ、夕方の柔らかな光。 アペロを構成する一つひとつの要素が、非常にフォトジェニックです。

特に、自分のライフスタイルを表現する場としてSNSを活用する世代にとって、この「SNS映え」は重要な要素。

Instagramで「#アペロ」や「#おうちアペロ」と検索すれば、センスの良い写真が数多く投稿されており、その人気の高さがうかがえます。

「こんな素敵な時間を過ごしている」という投稿は、共感を呼び、自分もやってみたいという気持ちを掻き立てます。

アペロは、美味しさや楽しさだけでなく、誰かと共有したくなる魅力も兼ね備えた、現代的な文化と言えるでしょう。

今日から始める!アペロの楽しみ方完全ガイド

アペロの魅力がわかったところで、次はいよいよ実践編です。

「でも、何から始めたらいいの?」という方のために、おすすめのお酒から簡単なおつまみ、お店での楽しみ方まで、アペロを120%楽しむための方法を具体的にご紹介します。

まずはこれ!アペロにおすすめのお酒

アペロの主役は、あくまで会話とリラックスした雰囲気。 そのため、ディナーの食欲を妨げない、アルコール度数が高すぎない軽やかなお酒が好まれます。

爽快感が魅力のスパークリングワイン

アペロの定番といえば、やはりスパークリングワインです。 立ち上る美しい泡と、シュワっとした爽やかな口当たりが、一日の疲れをリフレッシュさせてくれます。

フランスのシャンパーニュはもちろんですが、もっと気軽に楽しめるイタリアのプロセッコや、スペインのカヴァなどもおすすめです。

すっきりとした辛口のものを選べば、どんなおつまみとも相性が良く、乾杯のシーンを華やかに演出してくれます。

見た目も華やかな定番カクテル

少し気分を変えたい時には、カクテルも良い選択です。 アペロにぴったりのカクテルを2つご紹介します。

アペロールスピリッツ

イタリア生まれのハーブリキュール「アペロール」を、スパークリングワインとソーダで割ったカクテル。 オレンジの鮮やかな色合いが見た目にも美しく、甘さとほろ苦さのバランスが絶妙です。

食欲を心地よく刺激してくれる、まさにアペロを代表する一杯です。

キール

白ワインに、カシスリキュールを少量加えるだけのシンプルなカクテル。 作り方が簡単なうえ、ルビーのような美しい色合いがグラスに映えます。

白ワインの酸味とカシスの甘酸っぱさがマッチし、非常に飲みやすいのが特徴です。

他にも、こちらの記事でおうちで作れるカクテルをご紹介しています。

いつもの夜が特別に。簡単「おうちバー」の始め方と8種のカクテルレシピ

お酒が苦手でもOK!ノンアルコールドリンク

アペロは、お酒が飲めない人でももちろん楽しめます。 最近では、ノンアルコールでも気分が上がる美味しいドリンクがたくさんあります。

フルーツやハーブを使った「モクテル(ノンアルコールカクテル)」や、品質の高いノンアルコールスパークリングワイン、炭酸水にレモンやミントを浮かべたフレーバーウォーターなどもおすすめです。 大切なのは、その場の雰囲気を一緒に楽しむ気持ちです。

肩肘張らない、簡単絶品おつまみレシピ

アペロのおつまみは、凝った料理である必要はありません。 火を使わずに、さっと準備できる手軽なものが最適です。

ここでは、誰でも簡単に作れて、テーブルがパッと華やぐおつまみのアイデアをご紹介します。

乗せるだけ!生ハムと季節のフルーツ

塩気の効いた生ハムと、果物の自然な甘みの組み合わせは、ワインとの相性も抜群です。

お皿に生ハムをふんわりと盛り付け、旬のフルーツを添えるだけで完成。

夏なら桃やメロン、秋ならいちじくや柿、冬から春にかけてはいちごなど、季節ごとに組み合わせを変える楽しみもあります。

仕上げに粗挽きの黒胡椒を少し振ると、味が引き締まります。

混ぜるだけ!カラフルなオリーブのマリネ

市販のオリーブも、少し手を加えるだけで本格的な一品に変身します。

瓶詰めのオリーブ(グリーンやブラックなど数種類あると彩りが良い)の汁気を切り、刻んだニンニク、フレッシュハーブ(ローズマリーやタイムなど)、良質なオリーブオイル、レモン汁を加えて混ぜ合わせるだけ。

パプリカパウダーやピンクペッパーを加えると、さらに彩り豊かになります。 作り置きもできるので、常備しておくと便利です。

並べるだけ!本格チーズプラッター

ハード、ソフト、青カビなど、タイプの違うチーズを2〜3種類用意し、カッティングボードや素敵なお皿に並べるだけで、一気にお店の雰囲気が出ます。

チーズの周りに、ナッツ(くるみやアーモンド)、ドライフルーツ(いちじくやレーズン)、バゲットやクラッカーを添えましょう。

それぞれを単体で味わったり、組み合わせて食べたりすることで、味のバリエーションが無限に広がります。

お店でのスマートな楽しみ方とお店選びのコツ

おうちアペロも素敵ですが、時には気分を変えてお店で楽しむのもおすすめです。

お店でアペロを楽しむ際は、テラス席のあるカフェや、カウンター席のあるビストロ、ワインバーなどが良いでしょう。

開放的な空間で、外の空気を感じながら過ごす時間は格別です。

多くのお店では、夕方の時間帯に「ハッピーアワー」を設けており、ドリンクがお得に楽しめることもあります。 お店のウェブサイトやSNSを事前にチェックしてみましょう。

アペロはあくまでディナー前の軽い時間なので、注文はドリンク1〜2杯と、軽いおつまみを一品程度に留めるのがスマート。

長居はせず、1時間から1時間半ほどでさっと切り上げるのが、粋な大人の楽しみ方です。

まとめ:アペロで日常に彩りをプラスしよう

フランス発祥の文化「アペロ」について、その意味から魅力、具体的な楽しみ方までご紹介してきました。

アペロは、単にディナー前に食前酒を飲むという行為ではありません。

それは、忙しい日常の中に意識的に「余白」を作り、大切な人との会話や自分自身と向き合う時間を楽しむ、豊かなライフスタイルそのものです。 高価なお酒や凝った料理は必要ありません。

いつもの夕暮れ時、少しだけ時間をとって、好きな飲み物とお気に入りのおつまみを用意する。 たったそれだけで、あなたの一日がもっと色鮮やかになるはずです。

まずは今度の週末、大切な人や友人を誘って、あるいは一人でゆっくりと、気軽にアペロを始めてみませんか?

きっと、新しいお酒の楽しみ方と、心豊かな時間が見つかるはずです。

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