太陽の日差しが眩しい夏の日、あるいは少しリフレッシュしたい夜。
そんな時に飲みたくなるのが、清涼感あふれるカクテル「モヒート」です。
ミントの爽やかな香りとライムの酸味、そしてラムのほのかな甘みが織りなすハーモニーは、一口飲むだけで気分をすっきりとさせてくれます。
「お店で飲むもの」というイメージが強いかもしれませんが、実はモヒートは自宅でも手軽に、そして自分好みの味に作ることができるカクテルなのです。
この記事では、モヒートの基本的な知識から、誰でも簡単にできる美味しい作り方の黄金比、さらにはバーで出てくるようなワンランク上の味を再現するコツや、気分に合わせて楽しめるアレンジレシピまで、余すことなくご紹介します。
必要な材料もシンプルで、作り方のポイントさえ押さえれば、驚くほど本格的な味わいが実現できます。
今年の夏は、あなただけの特別な一杯を、ご自宅で楽しんでみませんか?
モヒートの基本を知ろう
まずは、モヒートがどんなカクテルなのか、その魅力の秘密に迫ってみましょう。
モヒートってどんなカクテル?
モヒートは、ラムをベースに、ミント、ライム、砂糖、ソーダを加えて作られる、キューバ発祥の有名なカクテルです。
その起源には諸説ありますが、16世紀にイギリスの海賊フランシス・ドレークの部下が、キューバで手に入りやすかったアグアルディエンテ(ラムの前身とされる蒸留酒)に、壊血病予防のためにライムやミントを入れた飲み物が原型とされています。
その後、文豪アーネスト・ヘミングウェイが愛飲したことでも世界的に知られるようになり、今では世界中のバーで愛される定番カクテルの一つとなっています。
モヒートの魅力とは?人気の秘密を解説
モヒート最大の魅力は、なんといってもその「圧倒的な清涼感」にあります。
摘みたてのミントが放つ爽快な香りと、ライムのキリッとした酸味が、ラムの甘い風味と絶妙にマッチ。
そこにソーダの炭酸が加わることで、のどごし爽やかで、暑い夏にぴったりの一杯が完成します。
また、材料の分量や作り方次第で、甘さを調節したり、ミントの量を増やして香りを強調したりと、自分好みの味にカスタマイズしやすいのも大きな魅力です。
見た目にも涼しげで、グラスにたっぷりのミントとライムが入った姿は、SNS映えも抜群。
五感で楽しめる、まさにエンターテイメント性の高いカクテルと言えるでしょう。
意外とシンプル!モヒート作りに必要な基本の道具

本格的なカクテル作りというと、専門的な道具が必要だと思われがちですが、モヒートは身近なもので代用できます。 まずは以下の3つを基本として揃えましょう。
高価なものを揃えなくても、工夫次第で美味しいモヒートは作れますので、気軽にチャレンジしてみてください。
道具 | 役割 | 代用案 |
ペストル(マドラー) | グラスの中でミントやライムを潰し、香りを引き出すための棒。 | 菜箸の太い方、すりこぎ、丈夫なスプーンの柄など。 |
メジャーカップ | ラムやシロップの量を正確に計るための道具。味のバランスを整えるのに重要。 | 大さじスプーン(約15ml)、小さじスプーン(約5ml)、計量カップ。 |
バースプーン | グラスの中の材料を混ぜ合わせるための長いスプーン。ステアする際に使用。 | 長めのスプーンやマドラー、菜箸など。 |
「どうせなら作るときから気分を上げたいな」「道具にもこだわって、お店みたいな本格的な一杯を作ってみたい」という方は、モヒート作りのツールを揃えてみるのもいいですね。
こちらは、ミントの香りを優しく、でも最大限に引き出せるペストルと、長いグラスでも混ぜやすいバースプーンのセットです。
見た目がおしゃれなだけでなく、使いやすさも考えられているので、カクテル作りがぐっとスムーズになりますよ。
モヒートに合うラム酒の選び方とおすすめ4選
モヒートのベースとなるラム酒。実は、どのラムを選ぶかで味わいが大きく変わる、非常に重要な要素です。
ここでは、モヒート作りに最適なラムの選び方と、具体的なおすすめ商品を4つご紹介します。
基本はコレ!モヒートには「ホワイトラム」が最適な理由
ラム酒には、樽熟成させない透明な「ホワイトラム」、数年熟成させた琥珀色の「ゴールドラム」、長期熟成させた色の濃い「ダークラム」などがあります。
この中でモヒートに最もおすすめなのが「ホワイトラム」です。
理由は、その軽やかでクリアな味わい。クセが少ないため、モヒートの主役であるミントやライムの繊細な香りと爽やかな風味を邪魔することなく、見事に引き立ててくれます。
見た目にも涼しげな、透明感のある仕上がりになるのもポイントです。
これを買えば間違いなし!定番&本格ホワイトラム
1. バカルディ スペリオール(ホワイトラム)
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ラム バカルディ ホワイト (スペリオール) 正規品 750ml (93725) スピリッツ rum(25-5)
「モヒートを作るなら、まずこの1本」と言われる、世界で最も有名なラムです。
1862年の創業以来、そのなめらかな味わいは数々のカクテルのベースとして愛されてきました。
カクテルの風味を邪魔しない繊細な味わいは、まさにモヒートのためにあるといっても過言ではありません。
このラムを使えば、あなたの一杯がより本格的になること間違いなしです。
2. ハバナクラブ 3年
モヒート発祥の地、キューバを代表するプレミアムラムです。最低3年間熟成されており、ほのかなバニラやオークの香り、スムースな口当たりが特徴。
バカルディよりも少しだけ甘みとコクを感じる味わいは、より本格的で深みのあるモヒートを求める方におすすめです。
本場の味を追求するなら、ぜひ試してほしい1本です。
もっと手軽に!混ぜるだけで完成「フレーバー付き」モヒート
「材料を全部揃えるのは大変…」「とにかく手軽に、失敗なく作りたい!」という方には、あらかじめモヒートの風味がついた商品がおすすめです。
1. バカルディ クラシックカクテルズ モヒート

バカルディ クラシックカクテルズ モヒート [ リキュール 700ml ][正規品]
なんと、ラムのトップブランドであるバカルディ社自らが手掛けた「モヒートのお酒」です。
バカルディラムにミントとライムのフレーバーが完璧なバランスで配合されており、氷を入れたグラスに注いでソーダで割るだけで、誰でも本格的なモヒートが作れます。
これ1本あれば、いつでも気軽におうちモヒートを楽しめます。
2. モナン モヒートミント・シロップ(ノンアルコール)

MONIN(モナン) モヒートミント シロップ 250ml 【プロ バーテンダー と バリスタ に愛される カクテル / モクテル のノンアルコール割り材】【常温保存】250ミリリットル (x 1)
こちらはノンアルコールのシロップなので、お好みのラムと合わせられるのが最大の魅力。
スペアミントの爽快な香りとライムの風味が凝縮されており、これさえあれば生のミントがなくても本格的な味わいが再現できます。
お酒が飲めない方向けに、炭酸水で割ってバージンモヒートを作るのにも最適です。
自宅でできる美味しいモヒートの基本レシピ
それでは、いよいよ自宅で美味しいモヒートを作るための具体的なレシピをご紹介します。
まずは揃えたい!基本の材料(1杯分)

美味しいモヒート作りの第一歩は、新鮮な材料を準備することです。
特にミントとライムは、このカクテルの味と香りの要となるため、できるだけフレッシュなものを選びましょう。
このセクションでは、モヒート1杯分を作るための基本的な材料リストを提示します。
それぞれの材料がどのような役割を果たすのか、また選ぶ際のちょっとしたポイントも併せて解説しますので、スーパーマーケットなどで材料を選ぶ際の参考にしてください。
ホワイトラム:45ml
クセが少なくすっきりとした味わいのホワイトラムが、ミントやライムの風味を活かすのに最適です。
スペアミント:15〜20枚程度(お好みで)
香りが穏やかで清涼感のあるスペアミントが一般的です。
ライム:1/2個
フレッシュな果汁の酸味が味を引き締めます。
砂糖:ティースプーン2〜3杯(お好みで)
グラニュー糖や白砂糖が溶けやすくおすすめです。
ソーダ(炭酸水):適量
甘みのないプレーンな炭酸水を用意しましょう。
氷:適量
できればクラッシュアイスを用意すると、より本格的になります。
美味しさを左右する!ミントの選び方と正しい使い方
モヒートの主役ともいえるミントは、その扱い方一つで香りの立ち方が大きく変わります。
選び方のポイントは、葉の色が濃く鮮やかで、ハリがあること。 しなびていたり、葉の先が黒ずんでいたりするものは避けましょう。
使い方で最も重要なのは、「葉だけを使う」ことです。 茎の部分は苦味やえぐみの原因となるため、丁寧に葉だけを摘み取って使用してください。
また、洗った後はキッチンペーパーなどで優しく水気を拭き取ることで、水っぽくなるのを防ぎ、香りが引き立ちます。
【完全ガイド】美味しいモヒートの作り方ステップ・バイ・ステップ
材料と道具が揃ったら、いよいよモヒートを作っていきましょう。 一つひとつの工程を丁寧に行うことが、美味しさへの近道です。
ステップ1:グラスにミントと砂糖を入れる
まず、タンブラーグラスにスペアミントの葉と砂糖を入れます。
この段階ではまだミントを潰しません。 砂糖の上にミントを置くようなイメージです。
ステップ2:ライムを搾り、優しく潰す
次に、カットしたライムをグラスに搾り入れます。
その後、ペストル(または代用品)を使って、ミントを「優しく」押し潰します。

ポイントは、ゴシゴシとすり潰すのではなく、ミントの香り成分が含まれる葉の表面の細胞(油胞)を壊すイメージで、数回軽くプレスすることです。
強く潰しすぎると苦味や雑味が出てしまうので注意しましょう。 砂糖の粒が、適度な摩擦材となってミントの香りを引き出す手助けをしてくれます。
ステップ3:ラム酒を注ぐ
香りが立ってきたら、ホワイトラムを注ぎ入れます。 メジャーカップで正確に計ることで、毎回安定した味に仕上がります。
ステップ4:クラッシュアイスを入れる
次に、クラッシュアイスをグラスの8〜9分目までたっぷりと入れます。
クラッシュアイスを使うことで、カクテル全体が素早く冷え、清涼感が格段にアップします。
また、氷が細かい分、ミントやライムがグラス全体に広がりやすくなる効果もあります。
ステップ5:ソーダを注ぎ、軽くステアする

氷の隙間を埋めるように、ソーダを静かに注ぎ入れます。 炭酸が抜けないよう、グラスの縁に沿わせて注ぐのがポイントです。
その後、バースプーンやマドラーをグラスの底まで差し込み、氷を持ち上げるように1〜2回、軽くステアします。
混ぜすぎるとミントの雑味が出たり、炭酸が抜けたりするので、あくまで全体を軽くなじませる程度に留めましょう。
ステップ6:飾り付けをして完成
最後に、追いミントとして新しいミントの葉を数枚飾ったり、カットライムを添えたりすれば、見た目にも美しい本格モヒートの完成です。
ストローを添えて、爽やかな香りとともに楽しみましょう。
ワンランク上のモヒートを作るコツとアレンジレシピ
基本の作り方をマスターしたら、次はさらに美味しさを追求してみましょう。
美味しさが格段にアップする3つの裏ワザ
ほんの少しの手間を加えるだけで、お店で飲むような本格的な味わいにぐっと近づきます。 ここでは、誰でも簡単に試せる3つの裏ワザをご紹介します。
裏ワザ1:砂糖を「シュガーシロップ」に変える
通常の砂糖を使うと、どうしても溶け残りができてしまい、飲み始めと終わりで甘さが変わってしまうことがあります。
そこで、あらかじめ砂糖と水を1:1の割合で煮溶かして冷ました「シュガーシロップ」を使うのがおすすめです。
シロップ状にすることでカクテル全体に均一に甘さが行き渡り、口当たりが格段に滑らかになります。 電子レンジで簡単に作ることもできるので、ぜひ試してみてください。
裏ワザ2:ミントを「叩いて」香りを引き出す
グラスで潰す前に、摘んだミントの葉を一度、両手の手のひらの間で「パンッ」と軽く叩いてみてください。
この行為を「クラップ」と呼び、手の熱と衝撃でミントの油胞が適度に刺激され、グラスに入れる前から華やかな香りが立ち上がります。
これにより、飲む前から豊かなミントの香りを楽しむことができ、より一層の爽快感を演出できます。 特に飾り用の追いミントで行うと効果的です。
裏ワザ3:「クラッシュアイス」にこだわる
基本のレシピでも触れましたが、やはり氷は「クラッシュアイス」にこだわると美味しさが全く違います。
もし製氷機にクラッシュアイス機能がなければ、ジップロックなどの丈夫な袋にキューブアイスを入れ、布巾などで包んでから、めん棒や肉たたきなどで叩いて砕くことで簡単に作れます。
氷の粒が細かいほどカクテルは急冷され、キリッとした味わいになります。 また、溶けた水が全体を程よく調和させてくれる効果もあります。
気分で楽しむ!絶品アレンジモヒートレシピ3選

基本のモヒートに慣れてきたら、フルーツなどを加えたアレンジレシピに挑戦してみましょう。 ここでは、見た目も華やかで、味も保証付きの絶品アレンジを3つご紹介します。
1. 濃厚ひんやり「フローズンモヒート」
ミキサーさえあれば簡単に作れる、夏にぴったりのデザートカクテルです。
基本のモヒートの材料(ラム、ライム果汁、ミント、シュガーシロップ)と、たっぷりの氷を一緒にミキサーにかけるだけ。
シャリシャリとした食感が楽しく、火照った体をクールダウンさせてくれます。 ミントの葉も一緒にミキシングすることで、よりダイレクトに爽やかな風味が味わえます。
お好みでカットフルーツを一緒にミキサーにかけるのもおすすめです。
2. 旬を味わう「季節のフルーツモヒート」
モヒートは様々なフルーツとの相性が抜群です。 作り方は簡単で、基本のレシピのステップ2で、ライムと一緒に潰せるくらいの大きさにカットしたお好みのフルーツを加えるだけ。
それだけで、いつものモヒートが華やかなフルーツカクテルに大変身します。
ベリーモヒート:冷凍のミックスベリーを使えば手軽。潰したベリーの赤色がモヒートの緑に映え、見た目もキュートに仕上がります。甘酸っぱさがラムと絶妙にマッチします。
パイナップルモヒート:カットパインを加えれば、一気にトロピカルな味わいに。パイナップルの濃厚な甘みと酸味が、モヒートをより一層ジューシーにしてくれます。
キウイモヒート:ゴールドキウイを使えば甘く、グリーンキウイを使えば爽やかに。種のプチプチとした食感も楽しめます。
3. お酒が飲めなくてもOK「バージンモヒート」
お酒が苦手な方や、ランチタイム、車の運転がある時でも楽しめるのが、ラムを使わないノンアルコールモヒート(バージンモヒート)です。
作り方は、基本のレシピからラムを抜くだけ。 その分、ライムを少し多めにしたり、ソーダの代わりにジンジャーエールやトニックウォーターを使ったりすると、飲みごたえがアップして満足感のある一杯になります。
りんごジュースを少し加えるのも、コクと甘みがプラスされておすすめです。
まとめ:今年の夏は自家製モヒートで乾杯しよう!
今回は、自宅で楽しむ美味しいモヒートの作り方を、基本から応用まで詳しくご紹介しました。
清涼感あふれるモヒートは、ポイントさえ押さえれば、誰でも簡単に本格的な味を再現できるカクテルです。
新鮮なミントとライムを準備し、一つひとつの工程を楽しみながら作ることこそが、最高の一杯を完成させる秘訣かもしれません。
基本のレシピをマスターしたら、ぜひシュガーシロップを使ってみたり、お好みのフルーツを加えてみたりと、自分だけのオリジナルモヒートを探求してみてください。
友人や家族を招いたホームパーティーで振る舞うのも素敵ですね。 今年の夏は、ぜひ自家製の格別なモヒートで、爽やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

